のりえの音楽の輪・別館

言葉は憧れ、言葉は人生。そして、言葉は心を解き放す自由の翼です。

2007年06月

すべては父に。

父は82歳になった

年を取るごとに父が 小さくかわいくなっていく。
それが嬉しいことなのか
悲しいことなのか
自分でもわからない。

けれど 今も元気でいてくれる。
それが本当にうれしい。

私の人生は
ずっと 母がすべてだと思ってきた。
母の受けとめてくれることがすべてだと思ってきた。

けれど 今になってしみじみと思う。
私の人生は やはり父だったのだ。

父にだっこされたこともなく
手をつないでもらったこともなく
スキンシップの記憶はまったくない。

私は きっと
ずっと父の愛情に飢えていた。
父親に誰より愛されたかった。

父にだけは
似たくないと思っていた。
母のすべてを受け継ぎたいと思った。

けれど私は 顔も父親似で
私の中にしっかりと父がいるのを感じて生きてきた。


神様は こうして父に
家族と長く向きあう時間を与えてくださった。

そして私たち姉妹には
父を許す時間を与えてくださったのだと思う。

帰るだびに 父の優しい笑顔が迎えてくれる。
小さい頃 決して見れることのなかった優しい笑顔に胸が熱くなる。


・・・私はちゃんと愛されていたのだ。

あまりにも不器用だけれど
ずっと父は 私のことを
誰より愛してくれていたのだ。


お父さん ありがとう。


こんな娘で本当にごめんなさい。
やっぱり
お父さんの娘でよかった。

これからもお父さん
元気でいてね。

むらさきかたばみ

83f96bd5.JPG

お庭の隅にひっそりと
むらさきかたばみの花咲いた

幼い頃
いつもそばに咲いていた

かわいい可憐なむらさきかたばみ
咲いているとうれしかった

ピンクのかわいい花びら
そばに飾っておきたくても
摘んでしまうとすぐにしぼんでしまう


咲いている花を見守ることが
大切にすることだということも
幼いながらに知った

幼い頃 
部屋のサッシを開け放ち
風を感じながら
母のそばですごすことが
何より私はうれしかった

母はずっと仕事でいそがしかったけれど
家ですごすときは
洋裁や編み物をしていた。

母に教えてもらいながら
母のふっくらとした優しい手を見ていた。
母と同じことができることが
なによりうれしかった。

静かに時間が過ぎていく。
庭に咲く花は静かに風に揺れていた。

それはとても幸せな記憶。

ずっと母のそばにいたかった
優しい母がすべてだった

気がつけば
むらさきかたばみ ひっそりと
いつのまにか庭に咲いていた

見守る私
見守られる私

幼い心そのままに
今も静かに咲いている

むらさきかたばみ
幼い日の私

「ア・ソング・フォー・ユー」に寄せて

初めて聴いたのは
「GORO IN SUNPLAZA 〜甘い生活〜 」
野口五郎さんの コンサートのアルバムだった。
幼かった私だけれど
語りかけるような五郎さんの歌声は
胸に染みわたり
わけもなく泣けた。

静かに「ア・ソング・フォー・ユー」のイントロが流れ
五郎さんは言った

「ぼくは・・これからも・・とにかく 自分の気持ちを大切に
 生きていたいと思います」

この言葉がとても印象的だった

自分の気持ちを大切に
自分を見失わずに生きることが
どんなに難しいか

そのことを20歳にもならない
この若い五郎さんは知っていたのだ。

だからこそ いつも五郎さんは この言葉を口にされていた。

「ア・ソング・フォー・ユー」は祈りの歌。

私はそう思う。
愛が届く深いメッセージだった。

人生は目に見えない糸を無意識にたぐりよせ

長い年月をかけて
不思議な力に引き寄せられていく。


いつか その記憶から消えることがあったとしても
不思議な力でまた甦る


「すべてをこえて あなたになら
 頼みたいんだ この声が 
 枯れてしまった時 せめてこの歌を
 思いだしてほしい ソング・フォー・ユー」

歌は人生。
歌は祈り。

そして歌は 
愛された記憶。

*********

「ア・ソング・フォー・ユー」に寄せて

訳詩・安井かずみ 
作曲・Leon Russell  
編曲・東海林修

歌:野口五郎

「ア・ソング・フォー・ユー」

「さよならを君に」に寄せて

ずっと忘れなかった歌がありました。
昔NHKの「あなたのメロディ」で
野口五郎さんが歌われた歌です。
一般の人の応募された作品を
歌手が歌うという番組です。

この番組から 泉ピン子さんの
「ちょっと見のいい女」という歌も
生まれたことがありました。

私は五郎さんが歌われたその歌が
とても好きになりました。
メロディも五郎さんをイメージしたもので
とても覚えやすいものでした。

そして五郎さんの歌唱が
とてもやさしくて切なくて素晴らしかったと思いました。
なぜかずっと忘れることはありませんでした。

いい歌なのに
レコード化されることはありませんでした。
とても残念なことでした。

普通はそれで終わりです。
あのとき 五郎さんが歌われた歌がよかった。
懐かしく思い出して
時々口ずさんで・・・それで終わりです。

けれど なんとお友達がその音源を持っていらっしゃいました。
信じられません。
あの日の歌を 今 私は聞かせていただいています。
ひざまづいて泣きます。
うれしい。

人生には奇跡が起きます。
それは いつも素晴らしい出逢いから起きることです。
生きててよかった。
聞かせてくださったお友達 本当にありがとう。

そして素晴らしい出逢いを連れてきてくださる
私のそばにいてくださるみなさんに
本当にありがとう。
****

「さよならを君に」

秋風がすりぬけて 街角も暮れていく
今頃君は ひとり部屋で僕を待っているだろう

一人でいるのは さみしいから 早く帰ってきてよねと
甘えるような瞳で僕を見つめながら言ってた

君がくれた愛の半分さえも かえせなかった僕を許してください
君の涙を見るのはとても苦しいから
せめてここから慈しみをこめて さよなら告げるよ

君がくれた愛のひとかけらを 胸に抱いて僕は生きていきます
初めて僕と離れた夜を 迎える君に
せめてここから慈しみをこめて さよなら告げるよ

******
1975年
「あなたのメロディ」
詩・曲 大阪のタケダさん

歌・野口五郎
Profile

のりえ

大切なことを
学び続ける人生にします。
「日々是精進」
sinse 2006.1.12

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