2010年06月
2010年06月30日17:26知っている
2010年06月26日21:06あじさいのように。
2010年06月25日01:50きっと待っている。
2010年06月23日00:55かたばみの記憶

むらさきかたばみ
遠い記憶。
ひっそりと
けれど気がつけは
いつもそばに。
優しい母さんの声がする
午後の庭に
野良犬が聞き耳を立てながら
昼寝する。
私はうれしくて
話しかけてながめる。
「今日は来てくれたのね。
朝はどこに行ってたの?
楽しいことがあったかな?
待ってたよ。」
野良犬は 安心したよ、と言うように
「ふーん」と鼻で大きく息をして
わが家のようにくつろいで
私の話を聴いている。
サッシを開け放ち
光差し込む静かな午後。
そんな庭の隅で
ひっそりとかわいい
むらさきかたばみ
静かに揺れて
おしゃべりな
わたしのお話聴いている。
かたばみもまた
安心したように。
幼いわたしの視線の中に
いつもあった
むらさきかたばみ
ちゃんといつもながめてた。
むらさきかたばみは
幸せな記憶。

2010年06月20日00:30父の日
2010年06月16日11:31あじさい
2010年06月13日08:08海
2010年06月09日00:53薔薇と萩
薔薇は優雅に咲いていました。
いつものように
薔薇の季節に。
春と秋
甘い香りをふりまいて
ゆったりと
またこの季節に。
ある日
ふぁんふぁんと風に揺れていた
萩にお花が、突然咲きました。
あわてんぼうの萩の花
薔薇のお花が咲いたので
自分の出番と勘違い
様子が違う空の下
咲いてびっくり おおあわて。
「薔薇さん薔薇さんごめんなさい
私は本当にあわてんぼう
私は秋のお花なのに
こんな季節にどうしましょう」
薔薇の前で
飛んだり跳ねたり大騒ぎ。
薔薇は 黙っておきました。
声をあげて笑いたかったけれど
知らないふりして。
薔薇はいつもより
鮮やかに
華やかに咲いてみせました。
いつもひとりで咲いていた薔薇は
本当はうれしかったのです。
けれど黙っておきました。
薔薇と萩との物語。
夏に向かう季節の中のおはなし。