ずっと忘れなかった歌がありました。
昔NHKの「あなたのメロディ」で
野口五郎さんが歌われた歌です。
一般の人の応募された作品を
歌手が歌うという番組です。

この番組から 泉ピン子さんの
「ちょっと見のいい女」という歌も
生まれたことがありました。

私は五郎さんが歌われたその歌が
とても好きになりました。
メロディも五郎さんをイメージしたもので
とても覚えやすいものでした。

そして五郎さんの歌唱が
とてもやさしくて切なくて素晴らしかったと思いました。
なぜかずっと忘れることはありませんでした。

いい歌なのに
レコード化されることはありませんでした。
とても残念なことでした。

普通はそれで終わりです。
あのとき 五郎さんが歌われた歌がよかった。
懐かしく思い出して
時々口ずさんで・・・それで終わりです。

けれど なんとお友達がその音源を持っていらっしゃいました。
信じられません。
あの日の歌を 今 私は聞かせていただいています。
ひざまづいて泣きます。
うれしい。

人生には奇跡が起きます。
それは いつも素晴らしい出逢いから起きることです。
生きててよかった。
聞かせてくださったお友達 本当にありがとう。

そして素晴らしい出逢いを連れてきてくださる
私のそばにいてくださるみなさんに
本当にありがとう。
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「さよならを君に」

秋風がすりぬけて 街角も暮れていく
今頃君は ひとり部屋で僕を待っているだろう

一人でいるのは さみしいから 早く帰ってきてよねと
甘えるような瞳で僕を見つめながら言ってた

君がくれた愛の半分さえも かえせなかった僕を許してください
君の涙を見るのはとても苦しいから
せめてここから慈しみをこめて さよなら告げるよ

君がくれた愛のひとかけらを 胸に抱いて僕は生きていきます
初めて僕と離れた夜を 迎える君に
せめてここから慈しみをこめて さよなら告げるよ

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1975年
「あなたのメロディ」
詩・曲 大阪のタケダさん

歌・野口五郎