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秋は 慈しみに満ちた季節

高い空は
哀しみを記憶の彼方に遠ざけ
実りの秋は
いつかすべて報われる時がくると
教えてくれる

陽は駆け足で沈み
哀しみに とどまらないで、
また明日に、と言う。

離れがたい夢ほど
過ぎてみれば
ひとときの夢とわかる。

こんなに胸に沁みるのは
秋がくれた薬が
胸の傷に 確かに効いているから。

やがて傷口も癒え
優しく微笑む頃には

すべてを紅く染めて
祝福のフィナーレ。

秋が静かに
痛みを乗り越えたわたしを
称えてくれる。

秋は・・・
慈しみに満ちた季節。