
夏も終わった
九月の朝
遅れて咲いた
ふたつの朝顔。
つかのまに
そっと寄り添う
花開く時間は
あまりに短いけれど
運命を感じ、
どきどきして 咲いている
「なんだかわたしたち
新郎と新婦みたい。」
恥じらいながらそっとつぶやく。
「そうだね。今日は、
僕たちの結婚式かな。」
照れながら微笑む。
あぁ 今日はなんてすてきな一日。
すてきな花嫁と花婿。
見つめるわたしは
背筋をのばして
おっほんと咳ばらいをし
にわか神父さん。
わたしを見上げ
うれしそうに寄り添う
二つの朝顔。
「おめでとう」
思わずつぶやく
九月の朝。