
ふと顔を上げて 窓の外を見た。
夕焼けに包まれた ピンク色の家並みに
思わず外に飛び出して 海まで走った。
「間にあったね。待っていたよ。」
美しい夕日が
穏やかに私を迎えてくれる。
「忙しかったの。ごめんなさい。」
心で夕日と語らう時間。
穏やかに満ちる時。
夕日に照らされて輝くさざ波。
優しい風景にほっとする。
日没まであとすこし。
沈む瞬間は見ないの。
だってさみしくなるから。
「どうか私を見送ってね」
私は夕日に背を向けて歩き出す。
「ありがとう。またあした。」
背中を押す声に 私は微笑むけれど
胸が熱くて泣きそうになってる。
「また来るね。
これからは もっといっぱい。」
歩きながら 私はつぶやくの。