まとめ
2015年06月21日
2015年05月14日
2015年03月16日
うさぎ
あたしはうさぎ
あたしはピンと耳を立て
菜の花畑で隠れてる
もしかしたらあのひとが
あたしの名前を呼びながら
探しに来てくれるかもしれないと
あたしは安全な場所で
じっと静かに待っている
あれはもう 随分と前のこと
ぬくぬくと暖かい部屋の中で
育っていたあたし
だけどある日 野に放たれて
あたしは 帰るお家を見失ったの
あたしはひとりでも
きっと生きていけるけど
いつもあのひとを思い出す
もしかしたら あのひとが
ひどく後悔して
あたしの名前を呼びながら
泣きながら探しに来てくれるのではと
心のどこかで思ってる。
菜の花畑で 今日だけは
待ってみたいと思ってる。
あしたになれば
ふっきれて
野うさぎとして生きてゆく。
だから今日一日は
聞き耳を立てこの場所で
あたしは 待ってみるつもり。

あたしはピンと耳を立て
菜の花畑で隠れてる
もしかしたらあのひとが
あたしの名前を呼びながら
探しに来てくれるかもしれないと
あたしは安全な場所で
じっと静かに待っている
あれはもう 随分と前のこと
ぬくぬくと暖かい部屋の中で
育っていたあたし
だけどある日 野に放たれて
あたしは 帰るお家を見失ったの
あたしはひとりでも
きっと生きていけるけど
いつもあのひとを思い出す
もしかしたら あのひとが
ひどく後悔して
あたしの名前を呼びながら
泣きながら探しに来てくれるのではと
心のどこかで思ってる。
菜の花畑で 今日だけは
待ってみたいと思ってる。
あしたになれば
ふっきれて
野うさぎとして生きてゆく。
だから今日一日は
聞き耳を立てこの場所で
あたしは 待ってみるつもり。

2015年02月01日
2015年01月22日
2015年01月09日
夕日

ふと顔を上げて 窓の外を見た。
夕焼けに包まれた ピンク色の家並みに
思わず外に飛び出して 海まで走った。
「間にあったね。待っていたよ。」
美しい夕日が
穏やかに私を迎えてくれる。
「忙しかったの。ごめんなさい。」
心で夕日と語らう時間。
穏やかに満ちる時。
夕日に照らされて輝くさざ波。
優しい風景にほっとする。
日没まであとすこし。
沈む瞬間は見ないの。
だってさみしくなるから。
「どうか私を見送ってね」
私は夕日に背を向けて歩き出す。
「ありがとう。またあした。」
背中を押す声に 私は微笑むけれど
胸が熱くて泣きそうになってる。
「また来るね。
これからは もっといっぱい。」
歩きながら 私はつぶやくの。
2015年01月02日
消えた影
強い光の中で立つあなたに
あなたの影は言いました。
「私はあなたの影ですが
もう あなたから離れます」
それはあなたが絶好調の時でした。
気にもとめていなかったあなたは
心の中で思います。
「私の影がわたしから
離れられるわけがない。」
あなたは心でそう思い、
てきとうに受け流してしまいました。
放っておいてもついてくる、
それが影というものだろう。
変なことを言うやつだ、と。
あなたの影には
あなたの思うことはすべて伝わっていました。
影は黙っていましたが
心の中でつぶやきました。
「強い光を受ければ受けるほど
わたしという影は強まります。
けれど、まぶしい光、
色とりどりの美しい光に照らされた
今のあなたは、
自分の影を振り返って見ることも忘れてしまいました。
つねにそばにいて
あなたを見ているわたしだからこそ
あなたのすべてが見えてしまいます。
もう わたしは必要ないようです。」
そうつぶやくと一瞬にして
静かに消えてなくなりました。
影を失くしたあなたは
まさか、とは思いましたが
特には何も困りませんでした。
さして影響のないことだ、と
知らん顔で過ごしていました。
雨の日や雲のかかる日には
まったく気にもなりませんでした。
どうってことないと思っていました。
けれど お日さまが燦々と注がれる日には
影のない自分を見て あらためて驚きました。
そして光が注がれる時には
消えた影のことを考えるようになりました。
あるべきものがない自分、に気づいたからです。
光と影は ひとつのものでした。
光があるから影があり、
強い影がある時は自分に
強い光が注がれていました。
そのことを知るべきでした。
影のないあなたは
もう知らん顔で生きることを決めました。
けれど時々 何かが足りないと
少し考えるようになりました。
消えた影は
あなたの心に影を落とし
あなたの胸の中で存在するようになりました。
失くした影をあなたは常に探しているのでした。
あなたの影は言いました。
「私はあなたの影ですが
もう あなたから離れます」
それはあなたが絶好調の時でした。
気にもとめていなかったあなたは
心の中で思います。
「私の影がわたしから
離れられるわけがない。」
あなたは心でそう思い、
てきとうに受け流してしまいました。
放っておいてもついてくる、
それが影というものだろう。
変なことを言うやつだ、と。
あなたの影には
あなたの思うことはすべて伝わっていました。
影は黙っていましたが
心の中でつぶやきました。
「強い光を受ければ受けるほど
わたしという影は強まります。
けれど、まぶしい光、
色とりどりの美しい光に照らされた
今のあなたは、
自分の影を振り返って見ることも忘れてしまいました。
つねにそばにいて
あなたを見ているわたしだからこそ
あなたのすべてが見えてしまいます。
もう わたしは必要ないようです。」
そうつぶやくと一瞬にして
静かに消えてなくなりました。
影を失くしたあなたは
まさか、とは思いましたが
特には何も困りませんでした。
さして影響のないことだ、と
知らん顔で過ごしていました。
雨の日や雲のかかる日には
まったく気にもなりませんでした。
どうってことないと思っていました。
けれど お日さまが燦々と注がれる日には
影のない自分を見て あらためて驚きました。
そして光が注がれる時には
消えた影のことを考えるようになりました。
あるべきものがない自分、に気づいたからです。
光と影は ひとつのものでした。
光があるから影があり、
強い影がある時は自分に
強い光が注がれていました。
そのことを知るべきでした。
影のないあなたは
もう知らん顔で生きることを決めました。
けれど時々 何かが足りないと
少し考えるようになりました。
消えた影は
あなたの心に影を落とし
あなたの胸の中で存在するようになりました。
失くした影をあなたは常に探しているのでした。
2014年12月26日
2014年10月14日
2014年10月09日
2014年08月12日
2014年06月13日
2014年06月01日
2014年05月14日
2014年04月20日
2014年04月17日
2014年04月10日
2014年04月08日
2014年04月07日
2014年03月30日
2014年03月15日
2013年12月25日
「愛と自由」
愛と自由。
愛と自由・・・・
とても幸せな言葉だけど、
だけど
よくわからない。
愛すれば、
自由を奪い
自由を求めれば
愛は遠ざかる
両方欲しがれば
どちらも手に入らない。
本当の愛は
人を解き放し
本当の自由は
人を愛で満たすものでしょうか。
わたしは
心を満たす
愛と自由に
憧れながら
生きている。

愛と自由・・・・
とても幸せな言葉だけど、
だけど
よくわからない。
愛すれば、
自由を奪い
自由を求めれば
愛は遠ざかる
両方欲しがれば
どちらも手に入らない。
本当の愛は
人を解き放し
本当の自由は
人を愛で満たすものでしょうか。
わたしは
心を満たす
愛と自由に
憧れながら
生きている。

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2013年01月17日
三日月の語り
今夜は君の
涙の受け皿になろう
闇を照らすほどの灯りもないし
たくさんの涙を受けられるほどの
深さもない僕だけれど
君はもう
そんなに流し続ける涙もないだろう
きっと君は目の前の現実を
心が認められなくて
目を塞ぎ
耳を塞ぎ
無表情になって
気づかぬふりをしていた
だけど君は
もう前に進むんだ
夜の中で僕を見上げる
その瞳に涙はあったが
本当は君は
涙は流し尽くしたあとだろう
今夜は君の
涙の受け皿になろう
気づいたその真実を見つめ
しっかりと前に進むんだ

涙の受け皿になろう
闇を照らすほどの灯りもないし
たくさんの涙を受けられるほどの
深さもない僕だけれど
君はもう
そんなに流し続ける涙もないだろう
きっと君は目の前の現実を
心が認められなくて
目を塞ぎ
耳を塞ぎ
無表情になって
気づかぬふりをしていた
だけど君は
もう前に進むんだ
夜の中で僕を見上げる
その瞳に涙はあったが
本当は君は
涙は流し尽くしたあとだろう
今夜は君の
涙の受け皿になろう
気づいたその真実を見つめ
しっかりと前に進むんだ

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2012年02月02日
かげぼうし
かげぼうし
追いかければ
追いかけるほど
逃げて 逃げて
どこまでも
待って 待って
おいていかないで
指きりげんまん したじゃない
いつもそばに
いてほしいのに
つまづいて ころんで
うずくまり うなだれて
なみだ ぽろり。
ひとりぽっち
ひとりぽっち
けれど
よく見てごらん
ほらそこに
そっと寄りそう
かげぼうし
ほんとうは いつだって
いつだって いっしょにいるよ
離れそうで 離れない
あなたとわたしは
かげぼうし
追いかければ
追いかけるほど
逃げて 逃げて
どこまでも
待って 待って
おいていかないで
指きりげんまん したじゃない
いつもそばに
いてほしいのに
つまづいて ころんで
うずくまり うなだれて
なみだ ぽろり。
ひとりぽっち
ひとりぽっち
けれど
よく見てごらん
ほらそこに
そっと寄りそう
かげぼうし
ほんとうは いつだって
いつだって いっしょにいるよ
離れそうで 離れない
あなたとわたしは
かげぼうし
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2011年10月09日
慈しみに満ちた季節
秋は 慈しみに満ちた季節
高い空は
哀しみを記憶の彼方に遠ざけ
実りの秋は
いつかすべて報われる時がくると
教えてくれる
陽は駆け足で沈み
哀しみに とどまらないで、
また明日に、と言う。
離れがたい夢ほど
過ぎてみれば
ひとときの夢とわかる。
こんなに胸に沁みるのは
秋がくれた薬が
胸の傷に 確かに効いているから。
やがて傷口も癒え
優しく微笑む頃には
すべてを紅く染めて
祝福のフィナーレ。
秋が静かに
痛みを乗り越えたわたしを
称えてくれる。
秋は・・・
慈しみに満ちた季節。
nori56jp1 at 01:35|Permalink│Comments(0)
2011年09月11日
ふうせんかずら
やさしい緑のカーテンの中
かわいい風船
揺れている
ぷくりと膨らむ風船が
涼しげに揺れている
白い白い小さな花が
風船のそばで ささやきあって
得意げに咲いている
知ってるよ わたし
その風船の中に
かわいいハートが隠されてるの
やさしいやさしい
三つのハート
お薬みたいに 心に効くよ
私たちもいつか
かわいいハートのしるしになって
また生き続けていけるかな
来年もまた きっと咲けるよ。
だから今から楽しみいっぱい。
小さいけれど知っている。
楽しみやうれしさであふれてる。
来年もまた ここで咲いて
心に 優しさ届けるよ。
nori56jp1 at 21:21|Permalink│Comments(0)
2011年08月06日
八月

朝顔
焼けつく陽ざし
草の匂い
耳鳴りのように 響き渡る
蝉しぐれ
時をとめて
立ち止まる季節
百日紅(さるすべり)
木槿(むくげ)
夾竹桃(きょうちくとう)
青空の下で見る 花火のよう
「しゅるしゅる
パーーン」
幼い日の記憶、呼び起こす。
見上げる空に入道雲
夕立ち
虹
立ち止まって ずっとずっと
ながめていたあの日
この胸にいつも
鮮やかに甦る八月
nori56jp1 at 18:28|Permalink│Comments(2)
2011年07月24日
夕日と海。

きれいだね
夕日が
海が。
やさしいね
いつもかわらず
そばにあって。
静かだね
きっと海がお日さまに
「おかえりなさい」って
言っているのね。
だから
お日さまはうれしくて
こんなに優しく輝くのかな
今日あったこと
いっぱいいっぱい話してるかな。
思い出したこと
あれもこれも
話したくて夢中で。
わたしも穏やかな海になって
「おかえりなさい」を言いたい。
今日も笑顔で終われるね。
いつも 待っているからね。
nori56jp1 at 01:45|Permalink│Comments(0)
2011年06月27日
クチナシの花

あなたが闇に迷う時
どうか
私をさがして。
眠れない夜
孤独な夜
月明かりもない闇の中で。
甘い香り
風に乗せて
ここにいる、と伝えている。
いつも変わらずに
姿は見えなくても
ずっとそばにいること
あなたは気づく時がくるから。
闇の中で
白い花びらがもえる。
「私はここよ
いつもここにいる。」
そして
ある日
あなたは扉を開けて
はっ として 飛び出すの。
nori56jp1 at 14:04|Permalink│Comments(2)
2011年05月30日
かたばみのうた

1.
かたばみの 花咲いて
しずかに揺れる午後
わたしは見つめているの
幼いわたしを
ふるさとは変わらずに
ひっそりと静かに
あの日と同じように
春の花が咲くかしら
優しいおかあさんが
いつも抱きしめてくれた
野の花も美しい
ふるさとに帰ろう
2.
かたばみは 陽をあびて
優しい風に揺れる
小さなこの世界を
よろこびで満たして
ふるさとは変わらずに
この胸の時を戻し
私を少女にして
春の花をくれるかしら
優しいおかあさんが
いつも待っていてくれた
野の花も美しい
ふるさとに帰ろう
優しいおかあさんが
いつも私の名を呼んだ
野の花も美しい
ふるさとに帰ろう
nori56jp1 at 01:46|Permalink│Comments(4)
2011年05月27日
ストロベリー・アイス

ストロベリー・アイス かわいい
5月の風に吹かれ
微笑むように
やわらかいフリルで
少し はにかむように。
恋をした日は
きっと こんな風にほほ染めて
夢を描き
五月の風の中で揺れるもの。
ストロベリー・アイス ささやく
甘くそっと
私の耳元で。
「いつまでも忘れないで。
いつまでも変わらないで。
その心は きれいなままで
瞳の輝く 少女のままでいて。」
ストロベリー・アイス 見上げる。
見つめるわたしを。
nori56jp1 at 17:01|Permalink│Comments(0)
2011年05月18日
満月とわたし

ただ
月あかりめざし
進むわたしに
注がれる月のしずく。
満月が見てる
ひとりぼっちのわたしを。
手をさしのべて
追いかけても
届くはずもない
なのに
月は見てる
瞬きもせず
こんな小さな
ひとりぼっちのわたしを。
大きな宇宙の中の
満月とわたし。
心の闇に注がれる光。
nori56jp1 at 01:28|Permalink│Comments(0)
2011年04月30日
れんげの花にうずもれて。

れんげの花にうずもれて
お空を見上げる
こんなにお空は広いこと
知ってたようで知らなかったな
どこまでも空は続くけれど
ここはだれも知らない
わたしだけの秘密の世界
ここにいること
だれにも内緒よ
れんげさんだけにお話しするの
お話ししたいことがいっぱいあるの
誰にも言えない私の夢よ
笑ったらだめよって言ったのに
れんげさん いまクスクス笑ったでしょ。
いいのよ 本当はね
自分でも笑っちゃうの。
私はれんげの花にうずもれて
甘い香りに包まれて
夢中で夢の続きお話ししてる
れんげの花が
優しく私を包んでくれるから
私はとってもうれしくて。
母さんが帰るまで
今だけの秘密の場所。
nori56jp1 at 23:59|Permalink│Comments(0)
2011年04月23日
闇

この人生は自分の責任だから
ひとのせいにするほど
私は誇りのない人間ではないし
ひとの人生に
私のせいだと言われるほどに
影響をあたえられる人間でもないから
傷つきもしないし
傷つけもしない
思い出に残るようで残らない
けれど それでいい
鮮やかに残らなくていいの
思い出せそうで思い出せない
やがて記憶が闇に飲み込まれることを
私は静かに待っている
忘れ去られることを待っている
nori56jp1 at 22:29|Permalink│Comments(2)
2011年04月15日
未完成

愛は
未完成のまま終わるから美しい
別れは
涙が枯れるほど泣けたことほど
ずっと忘れない
桜は
一番美しい瞬間(とき)に
無情の風に散らされるから
ひとはみな
人生を重ねる
未完成が
この胸に残る
追いかけても
届かない
この胸の痛みに耐えて
いつかまた
再びの夢を祈る
だから
桜の木の下で
思い切り泣かせて
桜吹雪の中
泣かせて
nori56jp1 at 10:15|Permalink│Comments(2)
2011年04月03日
2011年02月25日
春

待ちわびたはずの
春は
ただ切なくて
見上げる空に
滲む青空
春がこわい
春がこわい
こんな春は初めてだから
せめて
せめて
晴れやかに
にぎやかに
花を飾る
いつか
お空に大きな穴が開いて
天使が舞い降りてくるの?
ただ立ちつくす
春の風の中
nori56jp1 at 02:27|Permalink│Comments(4)
2011年02月02日
春はもうすぐ
春はもうすぐ
長い冬も
いつか春に。
やさしい
あたたかな
陽ざしにみちた
春はもうすぐ
梅のつぼみ
ふくらんで
うれしい春を
教えてくれる
小鳥たちは
梅の木の上で
もうすぐ春だよと
歌ってくれる
やわらかな陽ざし
注がれる
哀しみのむこう
穏やかに
みちたりる
春はもうすぐ
この胸に
春の光
少しずつ注ぐ。

長い冬も
いつか春に。
やさしい
あたたかな
陽ざしにみちた
春はもうすぐ
梅のつぼみ
ふくらんで
うれしい春を
教えてくれる
小鳥たちは
梅の木の上で
もうすぐ春だよと
歌ってくれる
やわらかな陽ざし
注がれる
哀しみのむこう
穏やかに
みちたりる
春はもうすぐ
この胸に
春の光
少しずつ注ぐ。

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2011年01月10日
ひとことで。
人は
ひとことで
天にも昇り
ひとことで
心を砕かれ
ひとことに
胸を熱くする。
ひとことで
すべてを悟り
ひとことで
心を決める。
すべてを映す
そのひとことで。

ひとことで
天にも昇り
ひとことで
心を砕かれ
ひとことに
胸を熱くする。
ひとことで
すべてを悟り
ひとことで
心を決める。
すべてを映す
そのひとことで。

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2011年01月08日
兎と神さま
月が腰掛のように細く輝く夜
兎はばたばたと神さまに会いに来ました。
「いそがしい、いそがしい。
私はどうしてこんなにいそがしい。
月が満ちるまでに
神さまのお役目 こんなにたくさん。
朝から晩まで走ってて
なんだか本当に目が回る。
どうしてこんなにいそがしい。」
息を切らし 耳をピンと立てて
神さまの言葉を待つように
やっとそこに座りました。
神さまは 言いました。
「あなたはすべてを背負いたい、
忙しくしたいだけなのです。
もうすでに 任務が完了していることまで
いつまで背負って走ろうとするのですか。」
兎は 頬をプクッとさせて
まんまるな目をさらに丸くして言いました。
「いえいえ神さま。
私の任務は終わっていないのです。
まだまだ私はやり足りないのです。
まだ何も報われていません。
がんばればがんばるほど仕事は増えて
私はなんだか目がまわる。
だけどもっともっと
私はがんばらないといけないのです。」
神さまは 少し笑って言いました。
「少し楽におなりなさい。
任務完了したものは
今夜あなたの記憶から
そっと消しておきましょう。」
兎は 不満げに座っていましたが
「そうだ!急がなくちゃ。
私はこうしていられない。
神さま失礼いたします。
また行ってまいります!!」
そう言って 失くした記憶にも気づかずに
次の任務へと走って行ってしまいました。
細い月だけが
静かに微笑みながら
兎を追いかける夜でした。


兎はばたばたと神さまに会いに来ました。
「いそがしい、いそがしい。
私はどうしてこんなにいそがしい。
月が満ちるまでに
神さまのお役目 こんなにたくさん。
朝から晩まで走ってて
なんだか本当に目が回る。
どうしてこんなにいそがしい。」
息を切らし 耳をピンと立てて
神さまの言葉を待つように
やっとそこに座りました。
神さまは 言いました。
「あなたはすべてを背負いたい、
忙しくしたいだけなのです。
もうすでに 任務が完了していることまで
いつまで背負って走ろうとするのですか。」
兎は 頬をプクッとさせて
まんまるな目をさらに丸くして言いました。
「いえいえ神さま。
私の任務は終わっていないのです。
まだまだ私はやり足りないのです。
まだ何も報われていません。
がんばればがんばるほど仕事は増えて
私はなんだか目がまわる。
だけどもっともっと
私はがんばらないといけないのです。」
神さまは 少し笑って言いました。
「少し楽におなりなさい。
任務完了したものは
今夜あなたの記憶から
そっと消しておきましょう。」
兎は 不満げに座っていましたが
「そうだ!急がなくちゃ。
私はこうしていられない。
神さま失礼いたします。
また行ってまいります!!」
そう言って 失くした記憶にも気づかずに
次の任務へと走って行ってしまいました。
細い月だけが
静かに微笑みながら
兎を追いかける夜でした。


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2010年09月06日
百日紅(さるすべり)

焼けつくような夏の日差しの中で
百日紅うれしそうに咲いている
今日はお出かけ
待ちきれなくて
少女は
フリルのついたピンクのワンピース
お家の前で
いまかいまかと
うれしそうに待っている
優しい母さんに手を引かれ
お出かけするの
見上げた庭先
見つけたよ
うれしそうな百日紅の花
少女と同じ
フリルをつけて
青空の下
揺れている
少女のように
揺れている
nori56jp1 at 11:17|Permalink│Comments(0)
2010年06月26日
あじさいのように。

あじさいは
いつも
雨が恋しい
お日さまの光より
雨に打たれて
自分が輝く花だと知っているから。
この一瞬に
美しく咲きたいと願えばこそ
絵のように
記憶に残る一瞬を。
だからわたしも
あじさいのように
記憶に残る一瞬を残して。
この雨に
すべてを流して
美しく生きていく。
nori56jp1 at 21:06|Permalink│Comments(0)
2010年06月23日
かたばみの記憶

むらさきかたばみ
遠い記憶。
ひっそりと
けれど気がつけは
いつもそばに。
優しい母さんの声がする
午後の庭に
野良犬が聞き耳を立てながら
昼寝する。
私はうれしくて
話しかけてながめる。
「今日は来てくれたのね。
朝はどこに行ってたの?
楽しいことがあったかな?
待ってたよ。」
野良犬は 安心したよ、と言うように
「ふーん」と鼻で大きく息をして
わが家のようにくつろいで
私の話を聴いている。
サッシを開け放ち
光差し込む静かな午後。
そんな庭の隅で
ひっそりとかわいい
むらさきかたばみ
静かに揺れて
おしゃべりな
わたしのお話聴いている。
かたばみもまた
安心したように。
幼いわたしの視線の中に
いつもあった
むらさきかたばみ
ちゃんといつもながめてた。
むらさきかたばみは
幸せな記憶。

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2010年05月31日
薔薇の花園

薔薇の花園
ひみつの隠れ家
甘い甘い
薔薇の香り
そっとあなたの耳元で
いざなう妖精
ささやく声を
聴いたあなたは
少しめまいする
薔薇の花園
アーチの中で
五月の風に吹かれたふりして
あなたは
妖精のささやきを聴く
ここはすてきな
秘密の花園
すてきな夢の隠れ家
nori56jp1 at 16:56|Permalink│Comments(0)
2010年05月16日
祝福

穏やかな一日に
今日も感謝。
豊かに
静かに
一日が過ぎていきます。
黄金色に染まる海は
幸せな一日を祝福しているようです。
この胸を満たしてくれる
美しい夕日を
少女のように
夢にあふれながら
見つめられる幸せ。
「ありがとう」
思わずつぶやく一日の終わりに
美しい夕日。
心を映す静かな海です。
nori56jp1 at 02:36|Permalink│Comments(0)
2010年05月05日
五月の海で。

あなたと行こう
五月の海へ
光満ちた
穏やかな海へ
爽やかな風が吹く
まぶしい海は
光を集め きらきらと輝く
今はこうして
静かな海で。
ただぬくもりを感じて。
夢を語ろう
五月の海で
誰もいない
ふたりだけの海で
やっと訪れた
満たされる時間に
ともに生きてきた
喜びにあふれて。
時をとめて
ずっとこのまま。
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2010年04月26日
春の語らい
春のつぶやき
花の語らい
春の花壇で
ひそひそばなし
小さな花がひしめく中で
かくれんぼしている
あなたはだあれ?
初恋草さん
お話し聴かせて
あなたの恋の
すてきなお話し
うんうん
なんだかキュンとする
あなたはいつも乙女なのね
マーガレットさんうれしそう
私もお話させてほしいな。
自慢話になっちゃうけどね。
にこにこしながら順番待ってる。
振り向くと 勿忘草さん
静かに揺れて
遠い目をしてため息ついた
忘れかけていた恋の記憶
今思い出しました、と。
ロペリアさんは
ふふっと笑う
みんなおしゃべりなんだから。
大人は何も語らないものよ。
だけど何かあったら
私に相談しなさいな。
春の花壇は
みんなで寄り添い
恋の話に花が咲く
お花の中でこっそりと
花の語らい聴いている
きっきうれしそうな
笑い声が聴こえたよ
隠れていても
我慢できない
かわいいあなたは
いったいだあれ?


nori56jp1 at 23:07|Permalink│Comments(0)