
美しき月
はるか頭上に昇りて
特別な十三夜の夜には
菊の花ちりばめし着物に
身体をつつみてひとり眺むる
金木犀の甘ひ香り
風が運びて
過ぎし日々をいざなふ
そっと
うなじに手を当てて
愛しき人の名を呼べば
この胸に注がれし月の光
ただ悲しみを照らす
あの日から心に響く鐘の音
耳を塞ぎても消ゆることなく
ただ一点に集まりし光の中で
思ひ出は緋色に染まりし。
月あかりの中
紅さす薬指は
この胸の熱き想ひを知りて
いつか遠く記憶の彼方に
すべてを閉じ込むることのみを願ふ
こんな十三夜の夜には。
言葉は憧れ、言葉は人生。そして、言葉は心を解き放す自由の翼です。
のりえ
大切なことを
学び続ける人生にします。
「日々是精進」
sinse 2006.1.12