「失うことの意味」
私の人生は いつも幸せの絶頂で失意のどん底に落ちることが多く
それゆえ あまりに幸せな状態が続くと こわくてこわくてどうしようもなく
そういうときこそ冷静に・・と自分を戒めて過ごすのですが
どういうわけか 幸せが大きければ大きいほど 
おそろしいほどの絶望を味わう人生になっており
今考えると 
ただ 静かに平和にすごせることこそが
私が心穏やかに傷つかず生きていける方法だと考えるようになりました。
正直これほどまでに辛く悲しく苦しい想いをしたことはありませんでした。
今自分が生きているのが不思議に思えるほどです。

けれど 私は生きていなければなりません。
すべてを一人で乗り越えていくことが
すべてに対する私の責任です。

私は 師と仰ぐ 日舞の先生に問いかけました。
 「私は どうしても これだけは失いたくないと思っていたものを失ってしまいました。
  どうしてなのでしょう。」
すると 先生は 静かにおっしゃいました。
 「それは あなたの代わりは いくらでもいた、ということです。」

 「代わりが・・・・・(絶句)」

私は 自分が必要とされることをいつも望んで生きていました。
けれど結果は悲しいものでした。

失うことにも意味があります。
それを考えることはとても辛いことです。
けれど逃げていてはいけないのです。
それを乗り越えて生きていかなくてはなりません。

すべての出逢いは 偶然でなく必然です。
そしてその中に学びがあります。
生かされている意味が そこにあるように想います。

私は私の想いを最後まで貫きました。
最初から最後まで 私はなにひとつ変わりませんでした。
だから もう十分なのです。
最後まで 貫けたことを感謝します。

(2007.9.29)